デザインとアートは違うというお話
どうも、Gaiです。
先日、美容室のチラシ作成依頼を受けたときにあったお話。
なぜ「デザイナー」と「アーティスト」 は区分が分かれているのか。
そこんとこをちょっと掘り下げていく。
アート気質は面倒くさい
いただいた依頼内容としては
・ロゴはもうある
・今までつかってたチラシを改良したい
とシンプルな内容。
美容院のチラシだし、わかりやすいシンプルなものに。
理容はさみを配置しロゴを配置し、 金額や場所などの情報をわかりやすく覚えやすい感じでデザイン。
依頼者と色合いや細かいところを確認し、OKサインがでたので、 あとはお店側の美容師に細かい部分の確認。
こちらとしては商業デザインとしては割とテンプレートな枠組みで はあるけど
ロゴも決まっているし、 記載する内容もほとんど決まってるのでわかりやすい形をチョイス 。
したのですが。
美容師「僕の求めるものはこうじゃない」
Gai ポカーン
Gai「いや、あのね。 あなたのクリエイティブな作品を作ってるのではなく、
美容室のチラシデザインをつくっているのですけど」
美容師「いや、僕は僕のセンスを信じているので」
Gai「」
一体何がおきてる・・・
アートの依頼ならともかく、このデザイン依頼はいわゆる「 商業デザイン」 であって個人のクリエイティブな欲求を出すものではない。
確かにクリエイティブな発想で商業デザインを作り出せる「天才」 はいる。
しかし、その他大勢の「普通のデザイナー」はあくまで「 テンプレート」に従うべきだと思う。
売上などどうでもいい。
ものすごい名言がでてしまった。
美容室の運営を任されている人間からでる発言とは思えない。
この美容室、オーナーは別にいて雇われ店長のようなものなのだ。
売上をあげる義務があるし、 お店を貸してもらってる義理もあるはず(だと僕は思ってる)
その人間が
「売上などどうでもいい」
一体全体どういうことなのか。
なんでも「このお店は自分のもの」で「 自分のセンスで作品を作っていく」で「 評価されるなら売上なんて二の次」だそうだ。
そもそもお店はオーナーのものだし、 作品作りは勝手に自分の範疇でやればいい。
売上が二の次なんてもってのほかだ。
まあそのへんは今回の話からは遠ざかってしまうので割愛する。
何が言いたいかというと、 売り上げをあげるためのデザインを提案したのに対し、 アート性が無いと批判されてしまったのだ。
論点が違う。
デザイナーとアーティストの違い
答えから言わせてもらう。
デザイナーは「依頼通りのものを作り上げる」
アーティストは「自分の表現したいものを作り上げる」
デザインが「設計」なのに対し、アートは「表現」
意味するものも意図するものも違う。
デザイナーとアーティストが意見をぶつけ合うのは全くの無意味。
仕事の上では相容れない。
そしてデザイナーは仕事であって、アーティストは仕事ではない。
デザイナーが向いてるのは相手で、 アーティストは自分を向いている。
家を作りたいと依頼されて、車を作ってどうするのか。
最終的には「もっと本気で作ってほしい」 とまで言われてしまった。
方向性が違うということを理解していない。
自分ひとりで完結しない仕事について
世の中、数えきれないほどの仕事がある。
デザインだけではなく、 多くの仕事では第三者と関わることがほとんどだろう。
その中で何を大事にするか。
そもそも、根本的に、本質的に、何が求められているか。
世の中はわからないことだらけではあるが、 自分の持つ芯と世間が求めるものを把握した上で着地点を決める。
それがどっちに偏ってもいけない。
しかしそれを判断する基準すら存在しない。 すべては自分の考え一つ。
頭を使って考えること。
自分の意見抜きにして、イメージしてみること。
他人の意見に左右されないこと。
デザインでもアートでも、 その物事に対して自分の考え方を明確にしておく。
クライアントとよく話す。
細かく細かく考えることはたくさんあるが、大丈夫。
いくら考えても、結論なんて出ないのだから。 自分で納得するかどうかの問題。
せめて、納得できる着地点を、 争い無く決めるだけの頭を使ってほしいと思う。
美容院のチラシも、無事納品して印刷した。
しかしまあ、何事も経験か・・・
ではまた。
Gai