ホラーゲームトリビュート「マリー僕はキミを」は自分と相手の醜い部分を表出させる。【RPGアツマール】
どうも、トライバルデザイナーのGAIです。
一体何をやっているのか。
最近フリーゲームが面白い。
いや、絵も描いてますよ?描いてますが、 ゲーム実況みたいなことも興味本位でやり始めましてね。 これがなかなか面白い。
これから時間見つけて実況動画を作成する日々が続くかもしれませ ん。
ただ、実況動画の処女作品。 音質も音量もなんじゃこりゃってレベル。 到底人前に出せるものではありません。 興味ある人は探してみてね。
そしてめでたく第2弾の実況動画となったのが、 同様にホラーゲームトリビュート投稿ゲーム「マリー僕はキミを」 です。
やり始めた理由はとても簡単。さっくりできる短時間ゲームとして配信されておったのです(プレイ時間5分程度)
ところがどっこい、蓋を開けてみると総プレイ時間は5時間。どういうことなの・・・
今回は「マリー僕はキミを」について、ネタバレは極力控えてその魅力を書いていこうかと思います。
●ありがちな設定と感じる違和感
ハッキリ言うと、最初の印象は「ああ~こういうゲームあるよねハハハ」でした。
かわいいアンドロイドのMarry(マリー)ちゃん。
これから主人公のサポートをしつつ暮らしていきましょうというゲーム。
マリーちゃんにいろんなことを教えつつ、幸せに暮らしていくぜ!っていう方向性の育成ゲームなのかと。
しかしこのゲームが投稿されたジャンルは「ホラー」。RPGアツマールのホラーゲームトリビュートにて選抜されたホラーゲームなのだ。決してそんな甘々な生活を送って終わりなわけではない。
そう思ったのもつかの間、恐れていた事態が起こる。
このゲームを簡単に説明すると、「マリーちゃんと幸せになる」ことが目的である。その手段として、主人公は毎日バイトに行き、せっせとお金を稼いで、そのお金を使ってマリーちゃんにプレゼントをしたり、遊び道具を買ったり、お勉強したりする。
それだけのことをしたいと思えるほどに、このマリーちゃんが家に来たときは思い入れのある大事な存在だったのだろうということが感じられる。
生活費は多分親の仕送りかなんかだと思われる。だってバイト代1日5000円だし。
そして、このマリーちゃんとした行動によって、マリーちゃんの性格が変貌するのだ。
たとえば、2000円で買えるアイテムの「おもちゃ」を使ってマリーちゃんと遊び続けると、突然「アハハハハ!!ゴッ主人ー!アハハ!」とか言い始める。
正確破綻も甚だしい。こんなマリーちゃんとは一緒に居たくない。
本当に突然性格が変わるのだ。しかし諦めてはいけない。このゲームの主軸ともいえる機能があるのだ。
●気に入らないマリーちゃんはリセット!!!
僕のマリーちゃんがヤバい性格になっちゃったようー(泣)となってしまった主人の皆様。安心してください。なんとマリーちゃんには「リセットボタン」がついているのです。
あのwindo○sの電源ボタンみたいなやつが。
それを押すとあら不思議。一番最初の丁寧な口調のマリーちゃんに戻ります。
これは自分好みのマリーちゃんになるまでリセットして繰り返せる!やったーわーい!!
しかし注意していただきたい。
このリセットボタン。完全にリセットできるわけではない。PCでいうところのキャッシュみたいなものだろうか。マリーちゃんはリセット前の記憶をわずかながら保持しているのだ。
故に、リセット後の言動がちょっと変わったりする。
よく考えると、リセットしたという記憶も残っていることになる。めっちゃ怖い。
●コクハク機能は有料です
日々バイトしたお金でマリーちゃんに貢ぐ主人公ですが、「アソブ」機能と「コクハク」する機能も購入します。追加パッチ的なやつだよきっと。主人公は課金厨。
ちなみにリセットするとこの機能も初期化されます。再度課金しないと遊べないし告白もできません。あしからず。
主人公は「マリーちゃんと結ばれたい!」と思った時に告白できます。
しかし、あくまで機能の名前は「コクハク」。
それが愛の告白なのかどうかは・・・やってみてのお楽しみです。
もちろん、この「コクハク」機能はこのゲームにおいて最重要コマンドと言っても過言ではないでしょう。主人公にとっても、マリーちゃんにとってもです。
●EDは10種類。CGは8種類。
このゲームはマルチEDです。CGの数=EDではありませんので全種類かどうかは自分の判断になりますが――――
マリーちゃん、すごくかわいいのですよ。
すごくかわいいだけに、EDはなんとも凄まじい。
このゲームのジャンルが「ホラー」となっている時点で察していただきたい。
CGの回収をひとつの目的としていいでしょう。なんといっても、トゥルーEDが最後のCGとなるのですから。
ホラーゲームですがちゃんとハッピーEDで終わることができます。ちょっとFate感がありますね。よかったよかった。
●作者様について
このゲームを作ったのは「spc様(@sweetdevils_)」です。
GAIさんがこういうゲームを進めるのがすごく苦手だったので「どういうことだよ!フラグが全くわからないよ教えてくださいなんでもしますから!」と質問したら快くヒントを教えてくださいました。他にもゲーム作ってるみたいなので、興味ある方は覗いてみてはどうでしょう。
●プレイ感想
さて、ここが書きたくて記事にしたわけですが。
まず言うとするなら「現実味のある未来」ですかね。
アンドロイドモノのゲームや設定、よくありますがよくも悪くもここまで「扱いづらい」アンドロイドというのも珍しい。
「マリー僕はキミを」をやっていて思うのがその融通の利かなさです。
ええ、本当に思ったようになってくれない。このマリーちゃん。
何をしても、させても、極端に解釈するマリーちゃん。そしてリセットを繰り返す主人公。
最初はきっと正しいルートがあるのだろう、短時間で攻略できるルートがあるのだろうと思って試行錯誤。しかし、現実は甘くなかった。(結果5時間のプレイ)
そしてこのいじらしさ。そう、自立思考・自動学習するアンドロイドが実現したとして、その初期としてはこれくらいの極短思考になるのではなかろうか。
アンドロイド側からしたら一生懸命に学んで、影響を受ける。しかし主人としては思い通りになってくれないジレンマを解消するためにリセットボタンを押す。その繰り返し。
軽率な行動の結果どうなるかは是非実際にプレイしてみてほしい。
そして「ハッピーエンド」を噛みしめることが出来るかは、どれだけマリーちゃんに一生懸命関わることができたかが重要になる。
実際にアンドロイドが現実化された時も、こういう現象がおきるのではないかという一種の未来予知。
このゲーム、なかなかに奥が深い。
ゲームの舞台としては主人公の室内のみだし、唯一外にいくイベントであるバイトも特に描写されることなく、5000円を手にするのみ。
フリゲだからと一蹴してしまうのは簡単だが、外の世界を想像するのも面白い。
マリーちゃんを外に出さない理由がそこにあるかもと思うと、ディストピアなのかなとかなんらかの形で主人公がマリーちゃんを保護しているという設定も考え付く。
フリゲ―の良いところはそういう背景を自分で想像できるところとも思うので、「マリー僕はキミを」はそのバランスがなかなかに絶妙。それがプレイ数6000オーバー(8/30において)の秘密なのかもしれない。
もちろんそれだけではないが。
セーブポイントがカレンダーというのもなかなかに秀逸だ。
つまりは、時間の流れが重要だと。マリーちゃんをリセットしたところで過ごした時間が無くなるわけではない。
唯一突っ込みどころがあるとするならば、想定プレイ時間5分というのは一番簡単なEDへの到達時間だろうなというところか(笑
あと、楽してEDが迎えられると思っているプレーヤーを殺す時間とも取れる。
是非とも長時間プレイして、ハッピーエンドを見ていただきたい。
このゲームの目的は「マリーちゃんとハッピーエンドを迎える」事なのだから。
最後に、このゲームにおいて最も感じられたことは、「主人公の心の成長」だ。
「マリー僕はキミを」は「マリーキミは僕を」でもあったとわかった。
ホラーとしては異作かもしれないが、とても印象に残るゲーム。面白いので最後までプレイしてはいかがだろうか。
ゲームはここからプレイできる。
ニコニコのRPGアツマールは様々なクリエイターがゲームを投稿しているので見ているだけでも面白い。
さて、GAIさんはこのゲームの実況動画をアップしてしまった。
ついね。つい。
trueエンドの一部まではやっているのでよかったら見てみてね。
実況動画を上げましたという報告をしたら、作者のspc様からマリーちゃんイラストを頂きました!これは嬉しい・・・・DVDを一緒に見ているところです。
素晴らしい作者様ですので、今後もいろいろなゲームを期待してますね(はーと
さて、次はどのゲームをやろうかな(^ω^)
それではまた。
—